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【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】

第9章 番外編・願望【赤井編】


お世話になっている工藤邸へと帰ってくればすぐに準備を始めキッチンに行く際、その間何もすることがないと言う彼に俺が最近読み終えた小説を差し出す。
それを最初は興味なさそうにしていたが読み始めた途端すごい集中力でページを捲る姿に口端を上げて夕食の準備を開始させた。



「ん、美味しい。悠さん。……?悠さん?」



キッチンで作業すること数分で料理の準備が整い、それを伝えようと名前を呼ぶも返事が返ってこないことに不思議に思いリビングを覗き込むと小説に没頭している姿が見えて少し考える仕草をしてから彼の座るソファへと向かい隣に腰かける。


…ふむ、ここまで集中するとは想定外だが……


隣に俺が座ったことにすら気付かない様子に前に比べて少しは気を許してくれている証拠なのだろうがこうも放置され続けては面白くなく、手を伸ばして髪にそっと触れてみるもまだ小説の世界に入り込んでいるのでそのまま指先に絡めたり梳いたりと繰り返す。



これでもまだ駄目か…それなら…



髪に触れてもなお反応を示さないことに無意識に口端を上げて目を僅かに開き、髪に触れていた指先をすぐ近くの耳朶に移してそっと触れると僅かに揺れる肩を見逃さず、そのまま今度は耳の淵をなぞるよう動かせばさすがに気付いたようでバッと勢いよく振り返る彼の少し赤みがかった頬に笑みを深めた。



『ッ!?な、何してんだお前…っ…』



「何って耳に触ってるだけですが?」



『…いや、そもそも何で触ってんだよ…』



「んー…それはアレです、こうして一緒に居るのに僕の事を放置して小説に没頭していたから…ですかね」



『お前が渡してきたん…ッ!!!ちょ、おいッ!?』



やっとのことで自分の方へと向けられた視線に何かが満たされていくのを感じ、それでもまだ足りずブツブツ文句を言っている悠の耳朶を再び今度は指の腹で撫でる。



「フッ…耳、弱いんですか?」



『っ、う、うっせ…ッ!って、か…も、触んなッ!』




「…嫌なら振り払えばいい。貴方ならそれが出来ますよね?」



繰り返し耳だけを攻めるように指を動かしながら軽く睨んでくる彼に敢えて逃げ道を提示し、そうすれば途端に恥ずかしそうに口を噤んでしまう様にそういう姿が余計に意地悪したくなるのだが本人はそれに気づきもしない。
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