• テキストサイズ

【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】

第16章 偽りの仮面


あの後自身のデスクへと戻り考えもまとまらないまま、まだ仕事が残っている零に無理するなよと告げて職場を後に…



「…おや、悠さんじゃないですか。今ご帰宅ですか?」



…何で此処に…?すげえタイミングだな、おいッ!



職場を後にしてから電車に乗ろうと駅に向かう途中に今は出来れば会いたくなかった男、沖矢昴に声をかけられてしまう。…いや、マジで何で居る!?


『昴?お前何で此処に?家は真逆だろ?』



「ええ、欲しい本がここの近くの本屋にしか置いてなかったのでドライブがてらに来たんですよ。…あ、もしこの後ご予定がなければ夕飯ご一緒しませんか?昨日作ったカレーがまだ残ってまして」



『なるほどな。って…夕飯?……あー……今夜は………いや、せっかくだし…いただくかな』


まさかこのタイミングで昴と会うとは思っていなかったので挨拶だけしてさっさと帰ろうと考えるもこのまま先延ばしにしても仕方ないかと内心覚悟を決め、昴からの提案を受けることにして彼の車へと乗り込む。


________

車に揺られて工藤邸へと到着してから夕飯の手伝いをして食卓に着き、本格的なカレーの味に俺の周りには何でこうもスペックの高い奴ばかり集まるのかと少し悔しい気持ちになりつつ綺麗に平らげた。


『ふー…ごちそうさま。すげえ美味かった!』



「そう言ってもらえると作ったかいがありますね」


満たされた腹をひと撫でしてからゆっくりしていていいとの言葉を断り、テーブルの上の食器を片付け全て洗って済ませれば珈琲を入れてくれていたようで鼻に香る良い匂いに誘われるようリビングへと戻る。


「ありがとうございます。珈琲入れましたのでどうぞ」



差し出されたカップをお礼を言って受け取り空いたソファに腰を下ろし、一口飲めば苦みの中にある旨味に幼馴染が淹れるのとはまた違った美味しさがあるなと思いながら表情の読みづらい昴へ目を向けるとバチっと重なる視線にいつから見てたんだと苦笑いを浮かべる。


「何かあったんですか?今日はどこか上の空というか…時々何かを考えているように見えましたが」



『…お前のことだ…昴」



「僕のこと、ですか?」



『…ああ…昴…いや、赤井秀一…』



合わさった視線を逸らさず彼の本当の名を口にすれば僅かに開かれる瞳をじっと見つめた。
/ 133ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp