第13章 【番外】うちの✕✕が出来過ぎて困る-クリスマス編(跡部)
めいこ「ぶ、ぶちょー?どこ行くんですかー?」
鼻に寒さが染みるクリスマスの夜。
跡部は黒のスーツ、めいこは軽めの正装で、2人ともその上からコートを羽織っていた。
少し大股気味で地下鉄の構内を歩き出した跡部に、左手を引っ張られながら慣れないヒールでついていく。
跡部「まぁみてな」
目の前には、地上へ続く長い階段。
生憎エスカレーターはない出口のようだ。
めいこ「ま、まさかこれ上るの?!」
跡部「悪いな、ここからが一番近い。さっき美味いもん食ったんだ、筋トレだと思って頑張れ」
めいこ「えーっ?!」
跡部「あぁ、歩けねぇなら俺様が抱えてやろうか?」
ニヤニヤしながら顔を覗き込んでくるので、変な意地が働く。
めいこ「けっこーです!」
跡部「フッ...」
くそー!こんなハイヒールに負けるかなにくそぉおお!
ムキになっためいこは、1段飛ばしをしながら上がっていく。
跡部「無茶すんじゃねーよ、コケるぞ」
めいこ「コケないもん!」
あと数段というところで、息が切れて下を向く。
転ばないよう足元に細心の注意を払って上っていると、最後の1段で跡部が腰を支えた。
「「さん、にー、いち!」」
跡部「めいこ、上向け」
めいこ「っへ?」
真っ暗闇の景色を見上げると、静かな街に跡部の指を鳴らした音が響き渡った。
その瞬間、街の明かりと大通りの木々が、小さな星をまとい、歓声が上がる。
沢山の光が目に飛び込んできためいこは呆気にとられながらも、それをうっとりと見つめていた。
めいこ「きれー...」
見上げたままの顎を後ろからくいっと掴まれると、光を遮った跡部が逆さまにキスを落としてきた。
ビックリして紅くなっていると、低い声で口元に囁かれる。
跡部「Merry Christmas」
めいこ「う"っ...うううううう」
恥ずかしさのあまり、思わず両手で顔を覆ってその場にしゃがみ込むと、その様子を見た跡部は、楽しそうに笑った。
跡部「おい、そんなんじゃこの後身がもたねーぞ」
めいこ「もうもたないよぉ〜!なんだよぉおお」
跡部「少し歩くか」
めいこ「う〜」
めいこの手を取り、幻想的な大通りを歩く。