第3章 終業式の後に(芥川/跡部)
めいこ「いやもっとすごい料理の匂いでしょが!あーくそー!いいなぁ跡部家!お腹空くー!」
芥川「あれ?なんか和栗すっごいいい匂いすんだけど。うまそー」
イキナリ後ろからガバリと抱きつかれ、バタバタ暴れるめいこ。
めいこ「ちょっとー!食べないでー!食べれないからー!」
跡部「また何やってんだお前らは」
廊下には跡部が立って待っていた。
めいこ「ぶちょー!先輩まだ寝ぼけてて食べようとする!お助けー!」
跡部「ホラジロー、喰うなら他のやつにしろ」
めいこ「ソレ何か違くない?!」
跡部は芥川の顔面を押さえてベリっと剥がし、それぞれに2つの紙袋(と言うには随分と立派なもの)を渡した。
跡部「弁当だ、持ってけ」
芥川「マジマジ?!」
めいこ「やったやったー!ありがとうございます!」
嬉しくてピョンピョン飛び跳ねる。
跡部「そんな豪勢じゃねぇ。昼食の分を急いで詰めさせただけだ、悪いな」
めいこ「いえ、全然いいです!超嬉しいです!」
3人は長い廊下を歩いて玄関へと向かう。
すれ違うメイドに「行ってらっしゃいませ」と言われながら。
跡部「今度ゆっくり食べに来い」
めいこ「はーい!おじゃましましたー!」
芥川「跡部バイビー!」
玄関先まで見送る跡部に、2人は見えなくなるまで手を振った。
朝よりいくらか暑さは下がったが、やはり暑い。
けれど何故か嫌じゃなかった。
めいこ「ぶちょーの家、噂通りすごかったねー」
芥川「だろー?」
そう言いながらさっそく紙袋を覗いて中身を確認する芥川。
芥川「サンドイッチだー!うまそー!」
めいこ「ホントだ」
めいこも中身を見ると、紙でできたお弁当箱にサンドイッチがドッサリ詰まっていた。
ハムとレタス、卵と...
めいこ「キャビア....キャビアて...」
芥川「ウマーい!」
芥川は歩きながらもう食べていた。
さっきからめいこもお腹が空いていたので、習って食べることにした。
めいこ「ホントだ、おいしー」
芥川「今度俺も弁当キャビアサンドイッチにしよーっと!」
めいこ「え!芥川先輩自作弁当?!」
芥川「そーだよ?すっげーだろー」