第37章 酒は詩を釣る色を釣る
とてもじゃないがサヘルのように口に含んだりは出来なそうで、怖気付きながらそろりと身体を寄せて覗き込む。
後ろ手に縛られた手を動かすものの、何も出来ないまま永夢を見つめる。
「は……聖ちん、何見てんの……」
永夢も僅かに息を上気させ、目を細めて僕を見た。
「う……うるさい、僕だって……」
僕は距離を詰め、思い詰めた末に永夢に覆い被さる。
馬乗りになるような形になり、寝転がった永夢を見下ろす。
体温と体温が重なり合い、お互いの芯が触れ合う。
「あ、ちょっ……!待って、聖ちん、嘘っ、マジで!んうッ……!」
永夢の下腹部に座り込み、ぴたりと熱を擦り合わせた状態でぎこちなく腰を左右に振った。
「ン……!」
は、は、と短く息を吐き、心臓をバクバクと高鳴らせながら下半身を揺り動かす。