第32章 妬みはその身の仇
「……う!あ!丸木戸っ……!」
乱雑に脚をいじくり回し、布地の中にブラシを潜り込ませる。
探し当てた素肌を毛先で撫で、表面を摺りまわした。
「ひッ、ぁ、あ、っあ!ああっはぁぁあ……い、い、わせて、くださ、い!……あ!はははぁっ!」
細く柔らかい糸の集まった筆を更に細かく動かす。
時雨先生の身体が大きく跳ねる。
拘束された状態でのたうち回り、掠れ声で叫んだ。
「ンう!ははッ、ぁ!丸木戸、丸木戸!ぁ!おねが、ぁッ、アッ……!言わ、せて、くださ、あ、ごめんなさぃ、い、意地、はっ、て……!ふっう!」
「はい、いい子ですね、それで?なんであんなに不機嫌だったんですか」
「ッ……あ、俺、は、斗真、にっ……」
わたしは手を止め、首を傾げた。