第30章 弁慶の泣き所
「……アッ……ぁ……」
紗都先生はそんな僕を見て、意味ありげに一笑した。
「やっぱりわたしが動いてあげなきゃダメですね」
「へ、ぁ……」
「腰、上げてください」
ぼんやりと白く霞んだ頭に紗都先生の命令が届く。
僕はなんとか言葉を処理し、
「あ……は……分かっ、たぁ……」
重たい腰を持ち上げた。
「んっ、う……ッ」
肉壁が下に引っ張られるような感覚がして、充たしていたモノが少しずつ抜け出ていく。
「ンぁあ……!」
快感が全身を、身体の内側をくすぐった。
モノが抜けていくこそばゆい感覚に肩が細かく跳ねる。
「ひッ、ぃ、ぁあ……ッ」
ずるっ、ずるっ、と自分で玩具を抜いていく。
「んん……ッ!」
真っ赤に染まったままの頬に、汗の雫が垂れる。
僕は口を噛みながら、
「あぁぁあッ……!」
自分の中に収まっていたディルドを全て引き抜いた。