第23章 酒は詩を釣る針
わたしはほんのりと顔を赤くして、ペニスバンドを外した。
どろどろに濡れたそれを机に置く。
「はい、とっても」
永夢くんはわたしの言葉に、へにゃっと頬を弛めた。
「……そっかあ……良かった……オレ、めっちゃ嬉しい」
よしよしと永夢くんの頭を掻き撫でる。
永夢くんはとろっと微睡んだ表情を見せ、恍惚としている。
「さて、と」
聖くんの方に顔をやると、
「聖くん」
ぴくっと肩を揺らしてわたしから目線を逸らした。
「何だよ……」
わたしは苦笑いして、椅子から腰を上げる。
「ほんとに素直じゃないですね」
聖くんはむすっとしたような顔で口を引き結んだ。
顔は赤に染まり、焦れたように瞳は揺れている。
何か言いたげなその表情が可愛らしくて、聖くんの頬に触れた。
聖くんの目を見つめ、優しく微笑む。