第18章 〜輪廻〜
お粥を作っていると、千里が帰ってきた。
『ただいま〜』
パタパタと出迎えた桜奈。
『お帰りーママ、お姉ちゃんは
落ち着いた?』
『うん、大丈夫だと思う。きっと色々と
混乱したんだと思うわ。ところで
美味しそうな匂いね?何か作ってるの?』
『あっ、家康さんに風邪うつしちゃった
みたいで、熱出して寝てる。起きたら食べて
もらおうと思ってお粥作ってた。』
『あらら、大変。熱は高いの?』
『さっき測って38.8℃だったよ。
眠ってるから、今のうちに準備しておこうと
思って。私のせいで風邪ひかせちゃったから・・』
と、しゅんとする桜奈。
『桜奈だけのせいじゃないわ。
栞を助けてもらうのに、ずぶ濡れに
させてしまたし、その後はあなたの
看病までしてもらって、本当に助かった。
本当に優しくて気遣いのできるいい子
よね、家康君って。』
『うん、本当に、優しい人だと思う』
しみじみとそう語る桜奈。
『桜奈は体調は大丈夫?』
『うん、私はもう平気。明日のバイトも
問題ないよ』と、にっこりしながら
小さくガッツポーズをする桜奈。
『それなら、一安心だわ。じゃ、元気になった
ついでに、夕飯作るのも手伝ってちょうだい。』
と、にっこりする千里に
『了解です』と頭に手を当て敬礼のポーズを
取りながら、おどける桜奈。
二人は、夕飯の準備にとりかかった。