第18章 〜輪廻〜
熱が上がり、加えて頭痛と気持ち悪さで
絶不調の家康だったが、桜奈が側に
いてくれると言うだけで、ほっとする自分も
いた。
寝不足も追い討ちをかけ、家康は
いつの間にか、眠りの中へと落ちていった。
ハッー、ハッーと荒い息遣いが
少しおさまり、桜奈は家康が眠ったのだと
分かった。小声で『家康さん?』と声を
かけたが、返事は無かった。
掴まれたままの手をそっと外し
両手を布団にしまうと、家康のおでこに
そっと手を当て、家康を見つめる。
『私のせいで、無理させちゃいました。
ゆっくり休んで、早く良くなって下さい・・・』
愛おしいと言う気持ちが、また溢れ出す。
意地悪で、感じ悪いだけの人なら
とっくに嫌いになっていただろうに
知れば知るほど、家康を好きになる自分に
ため息が出る。
頭を優しく撫でなでたり、手の甲で
そっと頬を撫で、家康の寝顔に見入って
いる自分に、Σはっとする桜奈。
(///あわわ、私ってば、寝てるのをいいことに
何て大胆なことをしてんのよ?あっ!そうだ
体温計、く、薬も、水も!準備しなきゃ!)
そう思い、静かに部屋を出ると
バタバタと1階に降りて行く桜奈は
危うく寝込みを襲いそうな大胆な自分に
しかも、無意識だと言うことに自分で
驚いていた。
恥ずかしさを隠すように、手の甲を口にあて
真っ赤な顔でドキドキする桜奈。