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また、恋してくれますか。

第18章 〜輪廻〜


検査を全て終えて、診察を受けた詩織の
祖母は、長椅子で見るからに落ち込み
肩を落とす孫の姿を見つけ

(あら?どうしたのかしら?)

それから、詩織のところに行くと
『詩織、お待たせ。』と声をかけた。

ふっと顔を上げた、詩織の顔は
今にも泣き出しそうな表情だった。

『あっ、おばちゃん?検査終わった?』と

『ええ、診察も終わったわよ。
それより何かあったの?詩織の顔に
雨予報が出てるわよ?』

『おばあちゃん、面白いこと言うね。
でも、そうかも。雨予報って言うか
雷雨注意報かな』切なげにクスっとする
詩織。

『あらあら、それは大変。
でも、お家に帰るまえに
美味しいもの食べて帰りましょ。
美味しいもの食べて、落ち着けば
予報は少し変わるかもよ』
ニッコリ微笑み、詩織の背中をさする
祖母の温かな手に

『おばあちゃん、ダメだ、雨が降りそう』
と、涙目になる詩織。

『まぁ、困ったわね。しぃちゃん
本当は、泣き虫さんだものね。
あっ、そうだ。おばあちゃんいいもの
持ってるわ。』とバッグの中をゴソゴソ
探すと、『あっ、あったわ。はいどうぞ!』
と、飴玉を一つ詩織に手渡した。

『おばあちゃん・・・ありがとう』
そう言うと、飴玉を口に入れ
『美味しい・・・』と、涙目で微笑む詩織。

小さな頃から負けん気が強かった詩織。
悲しくて泣くより、悔しくて泣く方が
多かった。

泣きそうな詩織を宥めるために
祖母は、いつも飴玉を一つ詩織にくれ
詩織の気持ちをふっと軽くして
くれるのだった。
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