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また、恋してくれますか。

第17章 〜他生〜


千里と詩織のやりとりを
たまたま見かけた信長。

元々は長椅子に座る、詩織にふと目が
止まり、なんの気になしに見ていた。
何故か分からないが、なんとなく目が
離せなかった。

千里との会話で、彼女があの時の
少女だと確信した。

(しぃちゃんを助けてくれて
ありがとう・・か・・、しぃちゃんね)
ギャン泣きしながら、お礼を言っていた桜奈を
思い出し、そのあとに、海の中で吸い込まれ
そうな瞳で自分を、じっと見つめる少女の
姿が、思い出された。

その子が、7年経ってどんな風に
成長したのか、興味があった。
ほんの興味本位で、詩織の前に立った信長。

詩織も、雑誌に集中していたが
ふっと、目の前に足があり

(ん?)と思い、ゆっくり顔をあげながら

(あれ?私なんか、通行の邪魔とかに
なってた?)と目の前に立つ人物の
顔を見て、息を飲んだ。

『こんにちは、君・・・確か・・
しぃちゃんだよね?』

ギョッとし、目を見開き驚く詩織。
(なんで、私ってわかるわけーーー!!)

白衣のポケットに手を入れて
獲物を発見したような、上からの目線で
信長がニヤリとして、立っていた。

(あー、間違いない。海の中で
見た瞳だ・・・)

魚のように、口をパクパクさせ
大パニックの詩織。
『あ・・ぅ・・・あ・・』
驚き過ぎて、口から出てくるのは
言語として成立しない音だけが漏れる
ばかりだった。
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