第17章 〜他生〜
運ばれてきた、あんみつを頬張りながら
『んっーーん!美味しい♡』幸せそうな
顔をする桜奈。
そんな桜奈を愛おしいそうに
見つめる家康だった。
あんみつをパクパク食べながら
桜奈は、詩織のことが気になっていた。
(しぃちゃん、先生と会えたかな・・・
でもな、先生もてるって家康さんも言って
だけど、しぃちゃんどうするんだろ?)
上の空であんみつを食べている
桜奈に気づいた家康は
『どうしたの?上の空だけど?
思ったより美味しくない?』と、尋ねた。
『えっ?いやそんなことないですよ!
あんみつ、凄く美味しいです。
ちょっと考えごとして、ぼっーとしてました。』
『珍しいね。甘い物を目の前にして
考えごとなんて。
スイーツ食べてる時は、スイーツしか
見えてないのにね・・・』と
ふっと、鼻で笑った。
『もう、またそんな意地悪言い方して
私だって、甘い物より大事なこと
ありますよ!』とむぅっとする桜奈に
『へぇ、それは意外だね』とニヤッとし
桜奈が膨れてプンプンする
姿が可愛くて、更に煽る家康だったが
『で、甘い物より大事なことって?』と
気になり尋ねてみた。
『意外って・・まっ、いいですけどね!』と、
はいはいと、流すように言いながら
『しぃちゃんのことを考えてたんです』
と桜奈は答えた。