第2章 〜会いたい〜
それに、桜奈は一度も会ったことはないが
時を超えて、運命の人と巡り会い
全てを捨てて、愛しい人との人生を選んだ
姉のような、情熱的な恋に憧れを抱いていた。
桜奈にとっての恋とは、花火の
ように一瞬の煌めきで終わるものではなく
地に根をはる花のように、ずっと変わらぬ
想いを咲かせ続けて行くもの。
恋した人と、そのまま結婚し
一生を添い遂げたい。
今時の高校生にしては
恋=結婚と言う重ための
恋に憧れていたのだ。
そんな、意識だったので
顔面偏差値は、かなり高く
誰が見ても可愛いと思われるだろう
桜奈だったが
全く隙を見せないと言うより
男として全く興味を持たれていないと
分かる桜奈に言い寄ってくる男子は
いなかった。
周りの男子達にとっても桜奈は
憧れの方が強く『高嶺の花』的存在
になっていた。
いつの間にか、みんなの桜奈と言う
暗黙の了解と、無言の圧力のかかる中で
玉砕覚悟で抜け駆けするような猛者も
いなかった。
ただ、一人をおいては。