第13章 〜真実〜
『ほら、やっぱり桜奈が
後ろめいから、気まずいって
だけじゃん。
まっ、気持ちは分からなくもないけどさ。
それに、もうこんな機会はそれこそ
これから先ないかも知れない。
桜奈が徳永さんを好きな
だけで、傷つく言い方だけど
徳永さんにとって桜奈は
お世話になってるお家の娘ってだけの認識
かも知れない。
そうなると、徳永さん自体
婚約者に、何にもやましい気持ちはないでしょ。
むしろ、桜奈にはキスはするわ
告白をぶち壊すわで、やらかし続きで
桜奈に対しては後ろめたいと思うよ。
それで、お詫びにケーキの流れでしょ?
でも、今日また地雷踏んだから自分と行けば
嫌な事を思い出させてせっかくのケーキを
味わえなくなるかもって、気を遣った
んじゃないかな?大好きなケーキを
ただ純粋に楽しんで欲しくて・・・』
『そうなのかな・・・』まだ、気持ちが
晴れない桜奈。
(確かに、ただのお詫びでって
話だったしね。何とも思われて
ないのも事実だし・・・)
『うん、そうだと思う。
それに桜奈が、気まずいままなら
徳永さんの方はもっと気まずいままになるよ。
このまま、引越しまで微妙な雰囲気で
過ごしたい?』
『それは、ちょっと嫌だな・・・』
(そうだ、あと1ヶ月くらいしか
ないんだもんね・・・)