第2章 〜会いたい〜
『あはは、しいちゃん大袈裟。
確かに、戦後武将では徳川家康が
推しメンだけど、私、前から知ってたよ。
側室がいっぱいいたのも
子だくさんだったことも。
だてに徳川家康ファンやってないのよ?
猿飛先生には敵わないけど
私も歴史上の彼情報はそこそこ
調べたからねー』
とにっこりする桜奈。
『へー、そっか。そうだよね。
大好きな、エア彼だもんね。
でもさ側室とは言うけどさ、
今の時代なら要は、愛人なわけじゃない?
私には、ただの女好きに格下げ案件よ
超、イメージダウンよ家康。
桜奈と言うものがありながら
何しちゃってくれてんのよ!だよ。』
とキレ気味の詩織。
『確かに、今の時代でそんなだったら
ドン引きだけど、時代が違うからね。
家を守る為に、小さな頃から長い間
人質生活とかしなきゃならないような
時代だったんだし家が第一優先だった
んじゃないかな?
それに、私と同じ名前の奥さんとの間に
跡取りが生まれたけど小さなときに
亡くなってるらしいからね。
どんなに好きでも、夫婦仲がよくても
家を継続できなかったら
その時代なら大問題じゃないかな?
だから、広ーい心で、自称現代妻の
私は許してあげちゃうのだ 』
と、ドヤ顔の桜奈。
『できた奥さんだねー桜奈は!
きっと、現実でも理解のある
いいお嫁さんになるよ!うんうん』
と、桜奈の頭を撫でる詩織。