第11章 〜別れ〜
『うん、分かった。何か、適当に
食べとくから、大丈夫だよ!
行ってらっしゃい』と
気どられないようにニコッとする桜奈。
でも、千里には無理をしている事は
直ぐにバレてしまうのだ。
『ねぇ、桜奈、家康君と何かあった?』
と、千里は、真剣な目で桜奈を見つめた。
(やっぱり、顔出ちゃうんだなー私。
それでなくても、ママは鋭いのに・・はっー)
『ううん、何にもないよ!一緒に生活する
のもだいぶ慣れてきたしね!最初の頃に
比べたら、落ち着いてきたからじゃない?
それより、時間大丈夫?』
そう言って誤魔化した。
桜奈にそう言われ、パッと時計を見ると
『あら、もうこんな時間!じゃ、行ってくるわ。
そう、そう、何かあるなら、心配させちゃうとか
思わずちゃんと話てね!何も分からず
切ない顔を見てる方が、よほど心配する
んだからね!じゃ、行ってきます』と
言って、千里は出かけて行った。
『うん、行ってらっしゃい!』と千里を
見送った桜奈だったが
(ごめんね、ママ。こればっかりは
話てもどうにもならないことだから・・・
気持ちの整理がついたら、きっと
いつもの私に戻るから、大丈夫だよ・・・)
そう、独り言を心の中で呟いた。