第29章 Scar *
「飲ますんじゃかなった…」
「ひどーい、こんな楽しいこと…もっと早く教えてくれても良かったのに」
「もう、飲むな」
乾杯を取り上げられてやだーと手を伸ばした
グラリと脳が揺れた気がしてヒロくんの上に倒れ込んでしまう
「ほら、言わんこっちゃない…」
「あたまがフワフワする…」
「酔ってんだよ、それ…」
初めてだからしょーがねぇかと背中をヒロくんの大きな手でさすってくれる
暖かくて気持ちいい…
このまま目を閉じて眠ってしまいたい
「…そろそろ離れてくれねぇといろいろまずい…」
「んー、もうちょっと…」
ベリッと引き離された
「お前のおっぱいが、当たってんの!
気づけよ…」
目を逸らせて真っ赤になっているヒロくん
ヒロくんも酔っ払ったのかな?とよく回らない頭で考えた
「さわる?」
両腕を寄せて谷間を作ってみせた
酔っ払って気が大きくなっていたんだと思う
普段ならこんなこと絶対に口にしない
逸らしていた目がこちらに向き、その目の奥はギラギラとしていた
少し我に返って、冗談だよとヒロくんから距離を取ろうと背中を向けた
「もう、おせーよ
逃げられると思うな」
後ろから抱きつかれてシャツのボタンと取られる
「あっ…ごめん…てば…」
「許さない」
ブラから胸を取り出してヒロくんの少し冷たい手が触れる
「はぁ…やわらけー」
「あっ…ん、ヒロ…く、あたってる…」
「当ててんだよ、お前のせいで大きくなったって事わからせてやろうと思ってな」
「やぁ……、ヒロくん……やめて…」
大きな手でねっとりと揉まれて首には熱い舌の感触
「嫌がってんなよ…煽ったのはだ、責任取れよな」
首にかかる吐息が熱い
プチっとブラのホックを取られて仰向けに寝かされた
「嫌がって無理矢理やられんのと、優しくされんのどっちがいい?」
上から覗き込んでくるヒロくんが色っぽく私を見る
雄の目で見られるとゾクゾクしてしまった
「優しくして」
掴まれていた手首から手が離れて私の手と重なり合う
触れられている所が全部熱くて
ハァハァと切なそうなヒロくんの息遣いにお腹の奥がきゅんとする