第20章 jealousy *
卒校式の日、陣平さんと研二さんが現れた
「おめでとう」
「正式に俺らの後輩になったんだな」
ちょっと気まずい思いもあったけどありがとうと返した
「飯でも連れてってやりたい所だが、まだ仕事中でな…」
「夜、迎えに行くからそれまではゆっくりしてて」
「わかった、ありがとう」
久しぶりに帰る自分の家
玄関のドアノブに花束が置いてあって中にはメッセージカードもついていた
ヒロくんの字でおめでとうって書いてあった
引っ越したこと言ってないのになんでだろうって思ったけど、ヒロくんが気にかけてくれることが嬉しくてそんなことどうでも良くなった
軽く掃除をして布団も干す
花束を花瓶に移したら眠たくなって寝ちゃったみたいだ
もう夕方で、そろそろ陣平さん達が迎えに来るかもしれないから準備を始めた
準備をし終えた所で携帯が鳴った
「お待たせ」
「何食いたい?」
「んー、やっぱりお肉?」
「そう来ると思ったよ」
いっぱい食えと言ってくれたのでおなかいっぱい食べさせてもらった
食べ終わったら陣平さんの携帯が鳴り響く
「くそ、呼び出しかよ…」
「残念、いってらっしゃい」
「またな、」
「気をつけてね」
研二さんが家まで送ってくれた
「コーヒーでも入れようか?」
「んー、お言葉に甘えようかな…」
リビングで待っててもらってコーヒーを持って行くとこの花どうしたの?って聞かれた
「たぶんヒロくんかな」
「え?」
「持ってきてくれたみたいなんだよね」
「ふーん」
ちょっと機嫌が悪くなってしまった研二さん
「なんだよ…あいつ…美味しい所全部持ってくのかよ…」
「研二さん?」
「あ、ごめん…なんでもないから…そんな顔しないで」
怒った顔を始めてみたからちょっと不安になった
「大丈夫、ちゃんに怒ってるわけじゃないから
でも、その花束を見つけた時のちゃんを想像するとちょっと妬けちゃうけどね」