第1章 encounter
高校生になって部活に忙しくなるととはなかなか遊べていなかった
ゼロは剣道部
俺は弓道部
俺達が通う高校にちょくちょく遊びに来ては練習風景を覗いていく
「零くん、かっこよかったー」
いつの間にかゼロくんから零くんに呼び方が変わっていた
「、学校来るのやめろよ」
「なんで?」
「俺達が部活終わるの待ってたら遅くなるだろ?お母さん心配してんじゃないのか?」
いつも明るいの表情が曇る
「お母さんは別に私の事なんて心配してないよ
いつも帰り遅いし、家に帰ったって誰もいないし、つまんない」
「だからって、こんなちょくちょく来られたら…」
「わかったよ!もう行かない!バイバイ」
「おい、待てよ」
俺の静止も聞かずは走って帰ってしまった
反抗期か?ちょっと前までは素直でかわいいやつだったのに
それからしばらく本当には学校に姿を見せなかった
とある先輩からはいつものあの子は?と聞かれる始末
別の先輩は、的に当てる度にすごいと褒めてくれなきゃやる気が出ないとか
以外と可愛がられていたんだなと思った
ゼロも部活の帰りに俺に聞いてくる
「最近見かけないな」
「ちょっと喧嘩しちゃって、拗ねてるんだろ」
この前の事をゼロに話したら、ゼロの雷が落ちた
「な、なんだよ急に…」
「は寂しいんだろ、わかってやれよ、それくらい」
寂しいって言ったってあいつも友達出来たって言ってたし、いつまでも俺達にくっついてるわけにもいかない
はの付き合いがある
それがちょっと気がかりだったんだ
「でも、ヒロはの兄貴みたいなもんだろ、ずっとヒロが守ってきたんだ
そんな子にあんなふうに突き放したら、が可哀想だ」
馴染めないをいじめていた同級生から助けたり、警戒心が薄くて不審者に目を付けられている所を目撃して警察に通報したり、ゼロと2人でを守ってきた
「謝ってこいよ、明日部活休みだろ?」
「わかった、行ってくる」