第9章 Incident
「ゼロ…松田…」
不審者は2人の手によって確保されていた
「がどこにもいない」
「大丈夫、こっちだ…」
お風呂場の扉をコンコンとする
「、俺だ…
もう大丈夫だから出てこい」
「ヒロくん来るの遅いよぉ」
ポロポロ涙を流しながら俺に抱きついてくる
「ごめん、遅かったな…ごめん」
「うぅー」
を抱きしめて落ち着くように背中を撫でる
ひとしきり泣いて落ち着いたは来てくれてありがとうと言ってくれた
「零くんも松田さんもありがとう」
「怖かっただろうけど、怪我がなくて良かった」
「ベランダの窓にちゃんと防犯対策されていたからガラスは割れなかったみたいだな」
「それは、零くんが大家さんに言って変えてもらえって言ってくれたから」
ゼロにも感謝しないといけないな
ここの大家さんは今後、屋上から降りてこれないような防犯対策もしっかりしてくれると言う
こんなことがあった部屋で今日は流石に1人にさせておけないから、俺の家に連れて帰る
「いかがわしいことすんじゃねぇぞ」と松田に忠告された
「しねぇって…」
なんだかんだバタバタしていてが俺の家に来るのは初めてだった
「お邪魔します…」
「緊張してる?」
「こっちのおうちは初めてだからどんな所なのかなって」
「ちょっと散らかってるどうぞ」
にソファーに座ってもらい飲み物を入れにキッチンに行く
でも、気の利いたものはない事に気づいた
「なんかが飲めるもの買ってくるから、待ってて」
「いやっ!行かないで…なんもいらないから…」
よっぽど怖ったのだろう
こんなに怯えたは初めてみた
「わかった!行かない」
の隣に座ると腕にギュッとしがみついてくる
「もう大丈夫だよ、俺もいるし、安心しな?」
「うん」