第82章 Loving feeling
繁華街を抜けた先に公園があったはず
きっとはそこにいる
ほら、見つけた…
一緒にいた三池を帰して俺はに近づいた
「こら、逃げんな…」
逃げようとするを腕の中に捕まえた
「香水臭い…」
さっきの女が付けていた香水が俺に移ってる
寄らないでって事か…
「傷つけたのならごめん…」
「記憶なくしてる私なんてめんどくさいですよね…」
「誰もそんなこと言ってねぇだろ…」
不安定なには、今何を言っても無駄だろう
「お前が溜め込んでいるものはなんだ?
言ってみろ、全部受け止めてやる」
「なんもないですっ!」
そう強がってるの手を取って自分の部屋に連れ帰る
2人で浴室に行き頭からシャワーを浴びた
服を着たままで
「きゃ、何す…」
「香水臭いって言われるの癪だからな
でも、今のお前は俺がシャワーを浴びてる時間をくれないだろ
だから、一緒に入った
これでどこにも逃げらんねぇよな…
お前もタバコくせぇよ…臭い落とせ」
ずるい、卑怯だと罵られたけど、を落ち着かせるため仕方ない
自分以外の男が吸ったタバコの臭いも癇に障った
先ににシャワーを浴びてもらいシャツを貸して、そこにいろと念押しする
来ていた服は全部濡れてしまったから、帰るにも帰れないだろうがな
シャワーを終えてビールを渡す
「少しは落ち着いたか?」
プイッと顔を背けて、まだ拗ねてるみたいだ
妬いた妬いてないと議論をするつもりはない
恥ずかしがって認めないのはわかってる
それを差し引いても今日のの様子はおかしかった
お互い黙ったまま
俺はが口を開くまでずっと待つつもりだった
根負けしたがようやく口を開く
「解放してやれって言われました」
「はぁ?」
いい歳なのに俺に決まった相手がいないのは、の面倒をみてるからじゃないかと、刑事課のおじさん連中に言われたそうだ
ほっとけよと思った
俺が好きで一緒にいるのに…
俺がそばにいるからの相手が出来ないと不埒なことを考えてんじゃねぇだろうなと疑ってしまう
「私が縛ってるんだ…って思って…
で、飲みの席で松田さんが女の人と絡んでて、諸伏さんも…2人ともちょっと嬉しそうに見えた…」