第74章 Everyday

「工藤邸ってまさか…」

「小説家の工藤優作は知ってるだろ？
今は留守してて…今ここに居候している奴の手を借りて俺は生き延びた
外はどこで誰が聞いているかわからねぇし、ここが一番安全なんだ、入ってくれ」

「あんた！」
てっきりさっきの赤井っていうやつがいるのかと思っていた
でも、いたのはそいつじゃなかった
「お久しぶりですね」
「なんだ、知ってるのか…」

いつかと行ったBARで会った沖矢昴

「やっぱりただの大学院生じゃなかったってことか…」
「見破られてたんですね」
「うさんくせぇと思ってただけだ」
「よく言われます…」

リビングに案内された

「はぁ？あの来葉峠の事故はこいつを生かすためだったって事か…」

話せないって言ってた2人を説き伏せてようやく聞き出した事実
危険に晒されようが構わない

「ったく、あの時大変だったんだからな…」
外国人社長の事件と来葉峠の事故が重なって俺たちは不眠不休だった

沖矢昴は仮の姿で本当はFBIの赤井秀一だということも聞いた

「で？ここまで話したのは記憶をなくして手伝わせる事が出来なくなったの変わりに俺に動けってことか？」

「話が早くて助かるよ
日本警察の君に手伝って貰えたのなら、こんなに心強いことはない…」

「を…組織に近づけさせないって約束してくれるなら」

「には頼れるナイトがいて、安心だな」
くくっと喉の奥で笑って、恥ずかしげもなくサラッと言ってくれやがって…


「諸伏、俺こいつと仲良く出来そうにねぇぞ」
「悪いやつじゃねぇんだが、ゼロとも反りが合わない」
「だろうな、わかるよ」

「でも、いいのか？
もう後戻りできねぇぞ」

「が苦しんでる姿、もう見たくないんだ
俺らの事を忘れててもいい、組織の事は思い出させちゃいけねぇって今日改めて思った…
諸伏もそれでいいだろ？」

「そうだな…、のこと頼むよ」