第74章 Everyday
「松田、、今から埠頭に向かってくれ」
埠頭で怪しい人影を見たと何件もの通報があったらしい
様子を見てくるようにとの指示を出された
「何人いるかわからねぇから、気をつけろよ」
「はい」
コンテナや倉庫が並んでいる
暗闇の中を目を凝らしながら前に進む
カツンと小さな音がして振り返る
松田さんを呼ぼうと声を出しかけた瞬間
後ろから手で口を塞がれて物陰に引きずり込まれた
「静かにしろ」
この声は諸伏さん…
異変に気づいた松田さんが慌ててやってきた
「おい、諸伏、なんでお前がここにいるんだよ
焦らすなに何かあったかと思っただろ…」
ホッと胸を撫で下ろして、拳銃をホルスターの中へしまった
「ライフルか…それ」
諸伏さんの担いでいるギターケースの中身をライフルと言い当ててる松田さん
「そうだよ、ちょっと別の仕事でな
裏の取引があると情報があって邪魔するのが俺たちの任務だったんだが、取引は片方が現れず
待ちぼうけを食らって撤収する所」
「通報はこれか…」
「赤井、出てきていいぞ」
コツコツと靴音を慣らして、暗闇から現れたのはニット帽を被った長身の人
諸伏さんと同じように背中にバックを背負っている
あれもライフル…
「彼はFBIの赤井秀一、訳ありで今日本で極秘で捜査に来てる」
FBI捜査官赤井秀一
その名前に聞き覚えがあって…
ドクンドクンと鼓動が早くなる
この状況、知ってる…
諸伏さんと赤井さん…後1人誰がいた気がする…
思い出そうとすると、頭が激しく傷んだ
「?」
松田さんと諸伏さんが心配そうに覗き込んでくる
だんだん呼吸が苦しくなって、上手く息が吸えない
松田さんが支えてくれて、それでもズルズルとその場に座り込んでしまった