第68章 CherryBlossom
「行くぞ、人多いからはぐれるなよ」
そう言って手を差し出された
遠慮がちに陣平さんの手に重ねると、恋人繋ぎに変えられて指を絡めてくる
「今日くらいいいだろ?」
コクンと頷くとサングラス越しでもわかるくらいの笑顔を見せてくれた
弱い…なぁ…陣平さんの笑顔に
逆らえなくなりそう
神社内に悲鳴が響き渡った
野次馬が出来ていて、掛け分けて進むと
ジョディさんとコナンくんが女性の死体の所にいた
「また、あのボウズ…」
「刑事を連れてきなさい」
ジョディさんの声に陣平さんが反応する
「刑事ならいるぜ」
「松田刑事!とお姉さん」
駆け寄ってくるコナンくんに状況を聞いた
この女性が最近巷を賑わせている黒兵衛と呼ばれているスリで、女性を撲殺したのがスリの被害者と推理する
ジョディさんと陣平さんの指示で神社の出入口は塞いだ
やってきた高木さんはジョディさんに困ると言っていたけど、それは俺が指示したと陣平さんが庇っていた
「まぁ、そういうことなら…」
阿笠博士が撲殺される所を見ていたらしい
木陰になっていたせいで、犯人のシルエットしか見えなかったらしいので、手がかりは帽子を被っていたことと、凶器が30センチくらいの棒状のもの
「帽子はもう脱いじまってるだろうし、ほぼ手がかりなしか…」
「せっかくの非番だったのに、残念だね」
「まぁ、しゃーねぇよ…これも刑事の定めととのデートは諦めるか…」
「早く解決してくださいね、刑事さん」