第1章 encounter
あれは俺が中学生だった頃、近所の公園でゼロを待っている時だった
「泣き声?」
子供の泣き声がして辺りを見回す
ブランコの辺りで泣いている女の子を見つけた
真新しいランドセル1年生かな?
「どうしたの?転んだ?」
声をかけたけど、まだ泣いている
膝からは血が出てて服も汚れている
ハンカチを濡らせて傷口を綺麗にしてあげる
「染みる?ちょっと我慢してね」
絆創膏を膝にペタッと貼り終わる頃にようやく泣き止んだ
「おうちに帰ったらお母さんに言ってちゃんと消毒してもらってね」
「おにいちゃんありがとう」
「うん、これからは気をつけてね」
「うん!私、っていうの
おにいちゃんは?」
「俺?俺はヒロ、よろしくな」
という名前に聞き覚えがあったけどこっちにこれくらいの女の子の知り合いはいなかったから気のせいかと思っていた
ニッコリ笑ったの顔が忘れられなかった
それからしばらく公園でと遊ぶ日々
逆上がりが出来ないと泣いていたに教えたり、キャッチボールをしたり、迷い猫を見つけたら飼い主を一緒に探したり、妹が出来たみたいで楽しかった
「また、おチビちゃんの所行くのか?」
「あぁ、渡したい物があるからって昨日約束したから、ゼロにも紹介するから、一緒に来るか?」
公園につくとが駆け寄ってきて抱きついてくる
「待たせたか?ゴメンな遅くなって」
ブンブンと首を横に振る
ゼロに目線を向けて俺の後ろに隠れた
「こいつ、ゼロって言うんだ
俺の親友、も仲良くしてやってくれよ」
しゃがみこんでに目線を合わせ撫でながら言うとまたニッコリ笑ってうなづいた
「ゼロってすっごいかっこいいお名前だね」
「だってさ、ゼロよかったな」
少し照れてによろしくと挨拶をする