• テキストサイズ

緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第21章 色気の欠片もないのだよ






今日もまた火神はいなかったが、誠凛に勝ち過酷な合同練習が終わった。


そして花子が体育館の片付けを始める端で、高尾と宮地さんに呼び出される。



「オイ、緑間。今日決行するぞ。」


決行するとは、つまり、花子に告白するということだ。


決行するなんて宮地さんは言うが、実際当たり前だが告白するのはオレな訳で、宮地さんも高尾も傍観者じゃないか、と出かかった言葉たちを飲み込んだ。



「いや、でも・・・、」



少し口籠もるオレに高尾は呆れて笑う。




「夏、海、合宿。恋の三拍子が揃ってんだぜ?こんなチャンス二度とこねぇぞ?」


「聞いたことないのだよ、そんな三拍子!」



「男らしくないな、緑間は。オマエ本当についてんのか、タマ。」



「げ、ゲスいのだよっ!」



「ついてんなら、さっさと告っちまえよ。オマエがまじでちんたらちんたらしてっと、オレが山田に告るぞ。」



全くオマエは入部したてのころ、偉そうに好き勝手してたくせに告白の1つもできねぇのか?あ?やれよ?分かってんだろ?オレ先輩なんだよ、従えよ?あ?返事は?聞こえなーい。返事は?



「・・・・・やります。」



後半はほとんど宮地さんの脅しであったが、ここで言わなければ、こんな絶好なチャンスがまた次いつあるかは分からないのもまた確かで。



「そうと決まれば、オレが山田に声掛けとくから、真ちゃんは告白のセリフでも考えとけよ」



高尾はそれだけ言い残すと颯爽と花子の元へと走っていった。


なんだか上手いように流されている気がするが、今日オレはこの気持ちに決着をつけるのだ。


・・・やるしかない。そう心に強く決意した。



「緑間、これやるよ。」



宮地さんから小さなプレゼントをもらい、体育館を後にした。
/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp