第39章 ・・・殺す
『4人ってだれ?』
「あたしと、テツくんと、黄瀬くん。それから花子。どう?」
『どうって言われてもなぁ・・・、』
登校して早々に席にやってきたのは、今年も同じクラスになったさつきだった。
今週末から始まるゴールデンウィーク。
その最終日、男女ともにバスケ部は調整日となりお休み。そしてその日に、同じクラスのこの4人で池袋に行こうと誘われているのだ。
「私がいてもミドリん許してくれないかな?」
大きな瞳を輝かせ上目遣いをするさつきは、女の私から見ても可愛く、且つ時おり左右に揺れるたわわな胸が・・・・・とても羨ましい。
最近の真ちゃんは、それはそれは姑のように私の交友関係にまでも目を光らせていた。嫌がらせの一件があってから、心配してくれているのは有難いが、その様はまるで幼なじみと言うよりは父親のようだった。
ちなみにもう1人の幼なじみは、辞めたい宣言をしただけのことはあり、会話することさえもめっきり減ってしまった。詳しくは知らないが、宮古さんとも上手くいっているようだった。
話を元に戻そう。
真ちゃんは、隣の席になったチャラチャラしている黄瀬くんに対して、輪をかけて仲良くすることを嫌がっていた。
美男美女で学校一のベストカップルと話題になった松野先輩とは、別れてしまったようで、“暫く彼女はいらないっス”と言っていたのは新学期が始まってすぐのことだった。
しかし彼女はいらないと言っておきながらも、休み時間になれば彼の周りはいつも可愛らしい女子たちでいっぱい。
幸か不幸か、そんな彼に目をつけられてしまったのだ。
「花子っちのタイプは?」
『ん・・・優しい人かな、』
「オレ、女の子にはめっちゃ優しいっスよ?どうっスか?」
『ああ・・・・・うん。』
「相変わらずの塩対応!堪んないっス。」
なんて会話を、先生の目を盗んで授業中にするのはもう何回目だろうか。はぁーと大きなため息が目の前に広がった。