第23章 まじでデートかよ
「火神、オレが3Pしか取り柄のないやつだとでも思ったか?」
真ちゃんがディフェンスだって上手いことくらい練習で見てきて知ってはいたけど・・・
5-0
全てダンクの直前で真ちゃんが止めている。そんなことが可能なのか?
そして6本目も同様に火神くんのダンクをブロックした真ちゃん。
「くそっ・・・・・もう1本だ」
「やめだ。このままでは何本やっても同じなのだよ。」
「なっ、テメェ!」
「いい加減気付け、バカめっ!」
真ちゃんが大きな声で怒鳴り、少しびっくりした。
口は悪いが、滅多なことがない限り声を荒らげたりなんて真ちゃんはしない。そんな真ちゃんがそこまでして火神くんに伝えたいことは何なのだろうか。
「どれだけ高く跳ぼうが止めることなど容易い。」
「・・・・・。」
「なぜなら必ずダンクが来ると分かっているのだから。・・・行くぞ花子。」
『え、あっ・・・うん、』
黙りこくる火神くんにかける言葉も見つからず、先に歩きだした真ちゃんに続く。
「高尾、オマエも早く来い。」
『え?』
真ちゃんの視線の先に目を向けると、草むらにしゃがみこむ高尾と黒子くんがいた。
「あり?バレてた?」
『え?いつから?・・・てか止めてよ、2人とも。』
「すいません。」
「わりぃ、わりぃ。」
本当に悪いと思ってんの?と高尾を睨むと、隣にいた真ちゃんが黒子くんに声をかけた。
「ウィンターカップ予選でガッカリさせるなよ」
はい、と返事をした黒子くんに手を振り私たちは旅館の近くを散歩することにした。