第22章 またかよ
『っん・・・はぁっ、・・・やっ』
あぁまたこれだ。またこの夢だ。
『やっ・・・めてっ、・・・んっ、あかっ・・しっ、』
どんなに拒絶しても、私はまた赤司に良いようにされる。
辞めて欲しいのに、この快感から逃れることもできず、私の身体にまた赤司が刻み込まれていくのだ。
夢の中の私が半ば諦めかけたときだった。
聞き覚えのある優しい声が私の名を呼んでいた。あぁ、もう大丈夫だ。夢の中の私は安心した気分になった。
「オイ、花子っ。・・・花子っ!」
『・・・・・あれ?しん・・・ちゃん?あれ?』
「オマエうなされてたのだよ。・・大丈夫か?」
『あ、うん。犬に追い回される夢見た。』
夢から覚めると目の前には隣の部屋にいるはずの真ちゃんが同じ布団で寝ていたのだ。正直赤司の夢よりも、真ちゃんが同じ布団にいることの方が今は問題だ。
『ちょ、ちょ、ちょっと待ってね。・・・え?何で?』
動揺した私は反射的に両手で胸を隠し、後ずさる。幸い(?)服は何ひとつ乱れておらず、安心してため息が漏れる。
「ため息をつきたいのはこっちなのだよっ。そもそも、オマエが今想像したようなことはしていない。」
『べ、べ、別に、何も想像してないよ。』
「まぁいい。それよりオマエ、本当に何も覚えていないのか?」
眼鏡の奥から覗く鋭い目が私を睨む。
まずい、これは怒っている。思い出さなければ。
最大限に頭を活用して昨日のことを振り返えってみる。