第4章 疑惑
「今日は10時から取材が2本、
あと午後から撮影が入ってるね。
えっと、神宮寺くんと永瀬くんは
午後は別現場で、それが終わって
合流って感じになります」
朝の当日スケジュールの
擦り合わせ。
まだ眠たくて目を擦る姿が
メンバーの疲れを物語っている
ようで何だか申し訳なかった。
けど、仕事は仕事。
頑張ってもらうのが
マネージャーの仕事だって、
蒲田さんから言われたから
私が泣き言なんて
言わないようにしないと。
「俺らはもう、そんまま
撮影現場入っていいんすよね?」
「うん、残りのメンバーは
基本、2人が終わるまで自由だよ」
やったー、と両手を掲げる
平野くんに、
永瀬くんと神宮寺くんは
へっ、と悪びれた笑みを浮かべる。