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死の外科医と四季姫

第1章 しきひめさま


むかしむかし、まだなまえのないそのしまに、ひとりのめがみさまがやってきました。

あまいろのかみにアメジストのようなきれいなひとみ。めがみさまはとてもうつくしく、ほかのかみさまたちからあいされていたため、しきひめさまとよばれていました。

しきひめさまはそのなのとおり、しきをつかさどるかみさまです。はるにゆきをふらせるなど、さまざまなちからをもっています。

そんなしきひめさまをとうみんはあがめ、すうはいし、みんながなかよくくらしていました。

やがてしきひめさまとあるおとこのあいだに、かわいいおんなのこがうまれました。

おとうさんゆずりのかみでしたが、ひとみはアメジストのようでした。

そのおんなのこは、うまれながらにしきひめさまののうりょくがつかえました。

やがてつきひはたち、しきひめさまにまごができました。

あまいろのかみに、おとうさんゆずりのひとみ。そして、しきひめさまののうりょく。

どうやらしきひめさまのちすじには、かみとひとみとのうりょくがうけつがれていくようです。

そのちはねんげつがたつにつれ、うすくなっていきましたが、ときどきあまいろのかみにアメジストのようなひとみのこがうまれます。

そのこは、いわゆるせんぞがえりというもので、しきひめさまのちからをつよくつかえました。

こうして、しきひめさまのちは、うすくなりこくなりをくりかえしていきました。

なもなかったそのしまは、しきじまとよばれるようになりました。

とうみんとれきだいのしきひめさまは、いまもなかよくくらしています。
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