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溺愛執事の恋愛事情

第6章 完璧執事の、弱点


ふたりに一礼、して。
背中を向けた途端呼ばれた声に振り向けば。



「屋敷裏の駐車場です」



空高く投げられたそれは、きれいな弧を描きすっぽりと俺の手中へと収まった。


「恩に切る」
「いいえ」



ぐ、と。
手の中のキーを握りしめ、今度は反対方向へ踵を返し、全速力で再度駆け出す。
時間は立ってない。
から。
遠くへは行ってないはずだ。



「…………」




そう祈りながら。
車のエンジンをかけた。
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