• テキストサイズ

溺愛執事の恋愛事情

第6章 完璧執事の、弱点


「朝からなんです?嫌な夢でも?」
「気にしないでちょーだい」
「?」


食後のローズティーをカップに注ぎながら首を傾げるハイセから、顔を反らす。
だめだわ。
気づいた途端に羞恥心が。
いつもいつも、当たり前のようにあたし、あんなことまでハイセにしてもらっていたなんて。
駄目。
恥ずかしすぎる。



「お嬢様、お車の準備が出来たようです」
「ええ、ありがとう」


ガタン、と立ち上がって。
頭を下げたままのハイセの横を通りすぎれば。
入れ違いに反対のドアが、開かれた。



「ハイセ、昨日はすまなかったね、まだ時間もあるから、ゆっくりと考えてくれればいいから」


「パパ?」


「━━━━皇!?」



ゆっくり考えて、って。
何?


そっとハイセへと目を向ければ。
パパがいるにも関わらずまだ頭はあたしへと下げられたままだ。

「ハイセ?」


「━━━━おはようございます旦那様。やはりお嬢様に家庭教師は不要かと思います。自分が責任持って教えられますゆえ」


「あ、ああそうか。そうだな。わかった。そうするよ。皇、学校しっかりな」


一瞬だけ、ほんの一瞬だけ間を開けたあと、ハイセはすぐにパパへと向き直りにっこりとそう、頭を下げた。
パパも決まり悪そうに、短くそう、返事をするとすぐに自分の席へと腰かける。
途端に、使用人の人たちが数名、パパを取り囲んだ。

「………」
「ハイセ?」
「お嬢様、遅刻してしまいます。お車へ」

「……ええ」



/ 197ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp