第2章 Lady GO or Stay?
すぅ、と、自分のベッドで無邪気に寝息を立てる彼女の髪をそっと、撫でる。
「……ごめん」
いつもいつも、理性がやられる。
歯止めなど、制御など出来ずにいつも抱き潰してしまう。
大切にしたいのに。
優しくしたいのに。
泣かせたい。
もっと、もっと乱れさせたい。
俺だけに見せてるその表情。
もっともっと見せて。
もっと俺を、欲しがって。
「………ぃ、せぇ」
「………」
にこりと微笑む彼女の笑顔が、たとえ夢の中で俺自身に向けられたものだとしても。
俺以外に向けられたものは、見たくない。
今すぐ彼女の夢の中へ入って『俺』を殺してやるのに。
「夢なんか見てねぇで、ホンモノ見ろよ、バーカ」
むに、と。
鼻を積まんでやれば。
「……ぅぅぅ」
小さく漏れた、うめき声。
あーもうほんと。
愛しすぎて怖くなる。
ゴロン、と、左に寝返りした彼女の首筋へと、これでもかというほど深く吸い付いた。