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溺愛執事の恋愛事情

第7章 お嬢様の涙


「やれば出来んじゃん。自分から足開いたってことはさ、これは合意の元ってことでいーよね?」
「ぇ」



肌けた太ももに、男の手が伸びて。
全身にゾクリと冷たいものが駆け抜ける。


気持ち悪い。


ハイセじゃない、知らない人の感触。
嫌悪感しかない。



「そんなに強張んなくても、すぐに良くしてやるから」
「……っ」



無遠慮に、指が下着の中へと浸入してきて。
さらに吐きそうなくらいの嫌悪感が襲う。



「………邪魔だなこれ」
「ぇ」



低い声に、閉じていた目を開ければ。
思ったよりも近くに、男の顔。
視線に気付いた男は、にっこりと笑うと。


「恨むなら、あんたの父親と完璧な恋人を恨むんだな」


「なに……」


疑問を投げ掛ける前に。


「……っ、きゃぁぁぁぁっっ!」



男は持っていたナイフでドレスごとビリビリに引き裂いた。













「………ぅ、っ、……っぃ」



両脇から手と体を押さえつけられて。
正面からは男が先ほどから指を1本、抜き差ししている。
恐怖と羞恥心で強張る体からは、快楽なんて引き出せるはずも当然なく。
繰り返しされる行為に感じるのは痛みだけ。
だけどそれは同時に。
彼を、苛立たせる材料となった。




「……チッ」


「……んぐ!?」


舌打ちをした、あと。
強引に顎を引き寄せ唇を乱雑に重ねると、空いた隙間から流し込まれた固形のもの。
口の中で溶け出すそれの正体を頭が理解すると、一気に血の気が引いていく。


「飲み込め」


意地でも喉を鳴らさずにいれば。
また顎を持たれて強引に上を向かされた。
自然と奥へと入り込む固形のもの。
すでにほとんどが溶けきったその『錠剤』を、舌の上でなんとか耐えていたものの、さすがに口を押さえつけられて上を向かされれば飲み込むのは時間の問題で。
いつの間にか意思とは関係なく、それは喉元を通りすぎたのだ。



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