第2章 【9】願いと流星群 後編
「藍希ちゃん起きて」
「んぅ……おはよ…ございま…す……」
まだ眠い目をこすりながら体を起こした
「ねぇ、本当にここで合ってる?」
窓の外を私の家、ぼろアパートが見える
「うん、合ってる。 TRIGGERに合うために最低限におさえたらこうなっちゃったんだよね」
「ボク達に会いたいのはわかるけど、もっと安全な所に住んでほしいな。心配でしょうがない」
「2年契約だからあと1年半したら引っ越すね」
天の心配をよそに流し気味でタクシーを降りた
「来てくれてありがとう。 すごく楽しかった」
「ボクも。今日の話は内密にね」
「わかってる。 それじゃあ…おやすみ」
「おやすみ」
手を振り合って私は部屋に向かって1歩踏み出した途端、天に呼び止められた
天は手招きすると耳を貸してという
「ボクは意外と………嫉妬深いから。 忘れないで」
天は首筋に跡がつかない程度の軽いキスをしてからおやすみと締めくくった
「……おやすみ、なさい」
どういう意味なのか訊こうと思ったけど教えてはくれなさそうなので、何も訊かずに改めて部屋へと歩みを進めた
玄関の鍵を開けて中に入るとタクシーが去る音が遠くに消えていった
Fin...