第1章 【9】願いと流星群 前編
しかし、夢から覚めたような感覚は訪れず、まだ夢が続く
まだ何があるの?
とは言いつつ、予行通り体育館から退場し、自教室に帰った
ホームルームをこなし、クラスメイトで写真を撮り、担任と連絡先を交換した
今日の夕方から友達だけで卒業祝いでご飯に行くことをぼんやり思い出していると親友から声がかかった
「ねえ、生徒会立ち合いだけど、TRIGGERの楽屋に行かない?」
「え?!楽屋に?迷惑じゃない?」
「生徒会が花を渡す予定だったんだけど、聞いて驚け!その仕事ぶんどってきちゃった!」
は?
私の親友は意味が分からないくらい顔が広い
でも、ここまでとは親友の私でさえ想像もしていなかった
TRIGGERにもう一度会える、とかじゃなくて、顔の広さに驚きしかない
「で、どうするのよ?合法にもう一度会って話すか、合法にライブでファンの1人としてステージから遠い席で見守るか」
「…いきますよ!もちろん!!」
「そうこなくっちゃね!藍希が行かないっていうなら私も行かないつもりだったから嬉しいよ」
親友は生粋の八乙女楽のファン
それこそTRIGGERの沼にはまったのも親友のおかげだ