第1章 【9】願いと流星群 前編
そこからは圧倒された
この曲はダンスナンバーとは違い、メロディーや歌詞で訴える曲だ
一件、歌詞の『一部分』だけを見れば、そう、これから各々、様々な形で社会に出る私達に勇気を与えるような曲に聞こえる
どんな事があっても大丈夫
一抹の希望があれば心配ない
だけど実際は、TRIGGERのターニングポイント、転機となる曲
私達に勇気を与えるような曲ではなく、彼ら自身の決意や、願い、プライドを歌った曲
生半可な気持ちで見られる、聴ける曲ではない
私は音楽関係者でも八乙女事務所の人間でもない『一般人』だからミューフェスで龍之介だけが立った理由を知らない
ましてや有害物質を厳重に管理するように『一般人』の私たちの目からTRIGGERを異常なまでに隠した全容を知らない
だから絶対的なプライドを持った完璧なパフォーマンスをする彼らをこの目でしかと見たい
何があって何を思ったのかを知るために私は見る