第3章 気になるの?
あ、まずい…着替え持ってきてない
軽くシャワーをすませた所で気がついた
まだ2人は帰ってくる時間じゃないしバスタオルのまま借りている部屋に駆け込もうとした
ガチャリと玄関が開く音がして入ってきた人と目が合う
「研ちゃん…」
「おいおいおいおい…なにその格好…」
「ごめん!」
急いで部屋に入っていて慌てて服を着た
ソロっと扉を開けて研ちゃんの様子を伺うと気にしてないみたいでビール買ってきたから一緒に飲もうと誘ってくれた
「なんか…お見苦しい姿を見せてごめんね」
「んーん、逆にいいもの見ちゃった」
やっぱり研ちゃんは苦手…
そういうことを恥ずかしげもなくサラッと言う所とか特に…
ん、と差し出されたのは研ちゃんのパーカー
「湯冷めしちゃうよ、雨降って冷えてきたから
それ着てなよ」
と貸してくれた
「ありがとう」
陣平はまだ帰ってこない
「陣平ちゃんのこと気になるの?」
「え?」
「ソワソワしてる、2人なんかあった?」
「なんもないよ…ただ遅いなって…」
いつもならとっくに帰ってきてる時間なのに
「刑事課だからね、なんか事件でもあったかな」
「そうだよね」
玄関の方から物音がして陣平が帰ってきたみたいだ
「なんだよ、2人してもう飲んでんのか?」
おかえりと声をかけると私の携帯が鳴る
不動産屋からだった
部屋に戻り電話に出るとご希望に添えなくてすみませんと謝られてしまった
やっぱりなかなかむずかしいか…
しょんぼりしてリビングに戻ると陣平くんと研ちゃんが何やら言い合いを始めていた
「なに?」
「「なんでもねー」」
2人がハモっているのがおかしくて笑ってしまう
私につられて2人も笑う
やっぱりこの関係がいい
陣平とも研ちゃんともずっと友達でいたいとそう思った夜だった