第13章 忍気呑声
『よくわかんねぇけど…言いたいことあるなら言えばいいんじゃねぇの?三蔵って頑固だしさっ!!意地っ張りだしっ!!ガミガミ言うしっ!!ハリセンで叩くしっ!!』
ーパァァンッ!!
『いってぇっ!!なにすんだよっ!!』
いつの間にかいた三蔵が悟空の頭をハリセンで叩いた。
『猿は部屋でこれでも食って寝ろ。』
三蔵は悟空に肉まんの入った袋を悟空に渡した。
『わーいっ!!ありがとな!三蔵っ!!』
悟空は嬉しそうに去っていった。
『で?お前は何が言いたい。』
『さっき…言ったじゃん!!』
衣月はそう言ってどこかに行ってしまった。
『あらまぁ…三蔵さま…衣月のこと怒らせちゃったの?』
『てめぇには関係ねぇだろ。』
『関係ねぇけどさ…ケンカされてっとこっちが困るんだわ。空気悪くなるしよ…』
悟浄が不機嫌そうにタバコを吹かす三蔵に声をかけた。
『知らねぇよ…』
『まぁ、何があったか知らねぇけどさ〜たまには素直に言葉に出すのも大事だぜ?なぁ?里白…』
『へっ!?気づいてたんですか…さっき衣月が怒って走り去ってくのが見えたんで……気になって…』
里白は建物の影から出てきて言った。
『俺は里白をずっと愛してるからな?』
悟浄は里白の腰に手を回して言った。
『もう…悟浄はストレートすぎるんですよ…。まぁ、そういう事を素直に言ってくれるのはありがたいですけどね…』
里白と悟浄は楽しそうに会話しつつその場を去っていった。
『めんどくせぇ…』
三蔵はそう言って青く澄んだ空を見上げて自嘲した。