第12章 一心同体
『そんなに笑わなくたって…』
いじけるように抗議したのは衣月。
そのあいだに悟空と悟浄が口喧嘩を始めている。
それを止めずに微笑ましそうに見ている独角兕。
和やかなムードが続いている。
いつもの風景。
いつもと違うのは独角兕が居ることともう、妖怪に襲われることが無いことくらい。
皆が寝静まったあと…
三蔵と衣月は外で語り合っていた。
『三蔵…ごめんね…勝手に命の契約しちゃった…』
『だろうな…此処にあった書物に禁断の術として書いてあった。術者、あるいは三蔵法師同士など法力等を使用出来る者同士で結ぶ契約…互いの所有物や肌身離さずに持つ仏具を使い…それをどちらかが発動させる…』
三蔵はタバコを吹かしつつ言った。
『魔界天浄しちゃったし…』
衣月はそう言いつつ三蔵に魔天経文を渡した。
三蔵も衣月に有天経文を渡した。
『別に構わねぇよ…言っただろうが。俺はお前を離すつもりなんかねぇよ…』
『だよね…離してもらうつもりもないし。』
2人はお互いの気持ちを察したかのようにタバコの火を消すと…噛み付くような深いキスを繰り返した。
『んっ…ぅん…ハァハァ…さすがに此処ではやばいでしょ…』
『何がだ?…っんなもん…知らねぇよ…』
『まっ…んっぅん…んっ…』
衣月と三蔵がキスをしているのを何人もの人が目撃したとかしないとか…