• テキストサイズ

~桜の木の下で~

第12章 一心同体


『三蔵には話したんだけど…本来…天地開元経文は守り人の言葉にしか従わない。でも、守り人が想いを寄せている相手や一時でも情があった場合…発動出来てしまう。ということは…あたしは魔天経文を発動できて、三蔵は有天経文を発動できるってこと。そして…烏哭三蔵は三蔵の師匠でもあり、あたしの実の父親でもある光明三蔵と仲が良かった時期がある。ということは発動も可能。そして、あたしの持つ有天経文は戦いには不向きな経文ではあるけど、持ち主を必ず守る。身につけている間は不死身と考えていい。敵さん達は必ず三蔵、悟空、悟浄、八戒の誰かをを狙ってくるはず…だから…あたしが魔天経文を持って三蔵に有天経文を持たせて…あたしが吠登城に乗り込む。悟空はあたしと来てもらう。』

『おい、悟空がお前と行くなんて聞いてねぇぞ…』

明らかに怒りに満ちた三蔵が言った。

『なに?嫉妬?しょうがないでしょ?紅孩児は何故かあたしがお気に入りみたいだし?三蔵にあたしと経文を寄越せって向かってくると思う。そしたら…悟空が紅孩児に向かっていかない限り…矛先は三蔵に向く。』

衣月は淡々と話している。
いつもの様子とは明らかに違う。
お前だれ?と言いたくなるほどに…

『衣月って…実は頭いい?』

苦笑いしつつ悟浄が言った。

『衣月は博士号もってますよ?しかも、全て満点で栄誉賞まで与えられるほどに秀才ですよ?』

『『『えええーーーー!!』』』

三蔵と里白以外は驚きのあげた。

『って!なんで三蔵は驚かないんだよっ!!』

悟空が驚かない三蔵に言った。

『光明三蔵から当時、飛仙と名乗っていた衣月の事を散々…聞かされたからな。今思うと…娘かわいさの自慢話だろうな。』

呆れたような様子でタバコを吹かしつつ言う三蔵。

『え?そんなに驚くこと??ちょっと頭いいだけでただのおバカさんですけども?』

いつもの調子に戻った衣月が言った。

/ 168ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp