第9章 蒟蒻問答
『反応遅っ…』
『遅ぇな…』
紅孩児の反応にそれぞれ反応する三蔵と衣月。
『お前らにしては大掛かりな手段を取ったもんだな。』
『恒天経文の強奪が目的だからうちらは眼中になかったってわけね。荷物持ちとナンパ野郎の分際で…』
三蔵はタバコを吹かしつつ、衣月はタバコに火を付けつつ言った。
『相変わらず…言ってくれるぜ…それに、俺は独角兕だ。』
『そなの?どうでもいい。』
衣月はそう言ってタバコを吹かした。
『それはそうと…他の奴らがいないな?紗烙の部下共と散っているということか…』
紅孩児が言った。
『てめぇらがいる分…受ける被害のほうがデカいはずだからな…早めに引き上げてくるはずだ。』
三蔵はタバコを地面に投げ捨てて足で消しながら言った。
衣月は携帯灰皿を取り出して三蔵の捨てたタバコを拾って自らのタバコも携帯灰皿で消した。
『アンタらもついてないね。あの時といい…今といい…』
衣月がそう言って鼻で笑った。
『いや、ついてないのはお前らのほうだ。この状況下でこの城の奥に紗烙三蔵がいることは明白。たかが、少数の人間ごときになにができる。』
紅孩児はそう言って鼻で笑い返した。
『試してみる?そこまで言うなら本気なんでしょ?この状況であたしらを倒せば…経文が3つ手に入る。一石二鳥じゃね?』
衣月は紅孩児を挑発した。
何故か法衣を脱いで肩に羽織るだけにした。
『そうだな…かかってこいよ…紅孩児…』
三蔵も紅孩児に銃を向けながら言った。
『紅っ!!挑発にのるなっ!!』
『独角兕…挑発に乗る訳では無い。玄奘三蔵一行とは因縁がある。煌玄三蔵がその仲間ならばいつかは対立する事になった筈だ。その2人から勝負を持ちかけられているんだ。乗らない訳にはいかない。』
紅孩児はやる気だ。