第2章 背負った過去
『あー…久しぶりに見ましたねぇ……』
旅を始めてから1週間。
宿屋で目が覚めた里白は目覚めが悪かった。
『里白…また、見ちゃったか…』
同室になった衣月が悲しそうに言った。
『はい……吹っ切れたつもりでいたんですけどね…』
衣月は悲しそうに言う里白を抱きしめた。
『大丈夫だよ。里白はここに居ていいんだよ。里白はあたしの闇を照らしてくれる光なんだからさ…』
『有難うございます…』
ーコンコンっー
『二人共、身支度出来たら朝ごはん食べに来てくださいね?』
ドア越しに八戒の声がした。
『はーい!』
衣月が答えた。
『ねぇ?衣月はどうして胸を隠すんです?その豊満な胸を有効活用したらいいじゃないですか。男を釣り放題ですよ?』
『そりゃそうだけどさ…女の三蔵ってあたし含めて2人しかいないんだって…だからさ…あたしみたいに弱いのは確実に女だってだけで舐められるんだもん。』
衣月はそう言うと愛煙のタバコであるラッキーストライクに火をつけた。
『もっと自由に生きてもいいと思いますけどね。』
里白はそう言うと身支度を始めた。
『人ってそう簡単に変わりはしねぇだろ?』
『まぁ、そうなんですけどね。』
里白の支度が終わる頃に衣月もタバコを吸い終えて2人は荷物を持って4人が待つ宿屋の食堂へと向かった。