第1章 全てはここから
『里白!それより援護射撃じゃーい!』
『あ!衣月!!待ってくださいよ!!』
ーパァンパァンー
ーガシャッカチンッー
青年4人は聞いた事のない銃声を聞き、仲間のものでは無い錫杖の鎌を見た。
その主は銃の弾を替えている黒髪を後ろで三つ編みにした三蔵法師。
鎖鎌を器用に扱っていたのは紅い髪と瞳の女性。
髪の毛は腰まであるストレート。
襲ってきた妖怪が全滅した後、2人は4人に近づいてきた。
『お初にお目にかかります。玄奘三蔵殿とその従者の方々とお見受け致しましたがお間違いございませんか?』
黒髪の三蔵法師が言った。
『あぁ…そうだが?』
三蔵がどこか面倒くさそうに答えた。
『私は第二十代目紅亜(こうあ)煌玄(こうげん)三蔵法師にございます。有天経文の守り人です。紅洋(こうよう)殿にて三仏神より、玄奘三蔵一行と西域へと旅立てとの命により、参上いたしました。こちらは私の友である里白といいます。』
三蔵は衣月の立ち姿にどこか懐かしく感じた。
悟浄も里白の姿に懐かしさを感じていた。
『二人共?どうしたんですか?ボーッとしちゃって…』
八戒が三蔵と悟浄に声をかけた。
『なんでもねぇよ…』
『美人な姉ちゃんだな〜と思ってさ。』
2人は誤魔化したが八戒は違和感を感じていた。
二人共、明らかに驚いたような顔をしていたから。