第4章 晴天霹靂
『ゲホッゲホッ…』
『大丈夫かっ!?』
『え?…あ…はい……』
目を覚ますと髪が濡れた悟浄が至近距離で里白を見つめていた。
里白は察した…人工呼吸されたのかもと……
『そういう顔もするんだな…』
『えっ!?』
『いつも…くらい顔しか見てなかった気がしたからさ。驚いた顔もするんだなってな…うわ…タバコまで濡れてんじゃん…マジかよ…』
悟浄はポケットからタバコを取り出すと濡れてボロボロになってしまったタバコを見て落胆した。
『とりあえず…服乾かしませんか?』
『そうだな…』
里白は悟浄にライターを借りてそこら辺の濡れていない木などを燃やして焚き火を炊いた。
『悟浄…』
『ん?どしたの?』
『私に手は出さないんですか?』
『えっ?』
悟浄は突然の里白の発言に戸惑った。
『出会った女性には口説き文句を言うのに私には言ってくれませんよね。』
そう言った里白は寂しそうにしていた。
『里白も口説いてほしいわけ?』
『はい。』
『即答かよ…俺さ…ぶっちゃけ…マジで人を好きになったとこないのよ。女はあくまでも遊び相手。深入りはしないって思ってたわけ。』
『私は口説く対象にもなりませんか?まだ、会ってからの期間が短いからですか?』
『違うんだって…情けねぇけどさ…本気になった女の子にどう対応したらいいかわかんねぇんだって…』
悟浄は困ったように言った。
『それって……』
里白は驚いた顔をした。
『俺は…里白が好きだ…まぁ、一目惚れってやつ?』
『私も…悟浄に一目惚れしてるんだと思います。』
『なんだよそれ~』
『分からないんです…私も本当に恋をしたことがないから…』
『そっか…まぁ、いいんじゃねぇ?俺は里白を愛してる…』
『はい……あ!浮気したら許しませんよ?』
『分かってるって…』