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~桜の木の下で~

第23章 眠っていた力



『それって…三蔵にあげたはずじゃ……』

八戒が驚いたような困惑したような表情をする。

『もしかして……無かったことにしようとしてます?』

『そうだよ……』

泣きそうな顔で衣月は里白の問に答えた。

『あたし…もう、長くないよ?先代もそのまた先代も…若くして旅立ってる…体の衰えは感じてきてる…だからさ…』

『俺はそんなことを望んじゃいねぇ…勝手に無かったことにしようとするんじゃねぇよ……』

いつの間にか三蔵が部屋の入口に仁王立ちしていた。


『衣月…逆にその呪いとやらを無かったことにしてやったらいいんじゃないですか?』

『あ……』

里白の言葉に衣月はシリアスな感情が吹っ飛んだらしい。

『ん〜!!最初からこうすれば良かったんじゃん!!ダーリン~愛してるぞ~!!!』

衣月は三蔵に飛びついた。

『フンっ…俺もだ…』

『んんッ……』

口付け合う三蔵と衣月。

『またコレですか……』

『またこれですね。』

八戒と里白は困ったように顔を見合わせた。

『里白…いつ終わるか分かりませんし…帰りますか。』

『そうですね。そうしましょう。 』

八戒と里白は家に帰ることにしたようだ。

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