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~桜の木の下で~

第16章 神色自若


『バカじゃねぇの?分かるわけないだろ?それにな、お前が今、そうやって怒って喚いてる時点で気づけよばーか!仏道に帰依してる身だって人なんだよっ!!怒りもすれば食欲も性欲も何もかも欲だらけなのが人なんだっ!!そんなに他人を欲にまみれた不浄な存在だと思うなら今すぐに死んで仏になってしまえ!人として生きるのを今すぐにやめろ。それにな…お前ら修行僧はあたしの偽りの姿を崇拝してきただろうが、あたしはコレが素なんだよっ!!純粋無垢な欲を捨てた菩薩のような存在だぁ?ふざけんな。あたしは純粋無垢なんかじゃねぇ。あたしは此処を出る。もう、戻ることはない。勝手にお前らで理想郷でも作ってせいぜい幸せに暮らしてろ。そして、あたしを回復させろ。あたしはまだまだ図太く生きてやらぁ!!』



よくもまぁこんなに長く喋れるもんだというくらい衣月は捲し立てた。

『さてと、部屋に戻りますか。』

『そうですね。』

八戒と里白がそう言うと何故か渋りそうな悟空があっさりと部屋に戻った。

2人の尼僧もそそくさと何かを察したようにその場から去った。


『んっ…まっ…てっん…』

三蔵は衣月を抱きしめて突然キスをした。

『待てねぇよ…なんでこんなにしてんだ?』

三蔵は衣月の下着の中に手を入れつつ耳元で囁く。

『これのおかげ…これ、ここの奴らが性欲を断ち切る為にわざと炊いてるやつでありとあらゆる媚薬が入った物なんだ…薬物みたいに依存性はないけどそれに近いくらい効果抜群…こんな状態で三蔵に抱かれたくない…これ、使ったら大変な事になるし覚えてられないし…』

衣月は三蔵にしがみつき俯きながら言った。
耳まで真っ赤にして。

『まるで経験したことがあるような口ぶりだな?』

『あるよ…だって…ずっと前から…江流だった時から気になってはいたから…だから…その時は秘密で1人で夢中になって…気づいたら朝で…』


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