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【進撃の巨人/リヴァイ】心の氷が溶けるまで。

第12章 初陣・2




・*・


ティアナの意識が浮上する。何かに揺られているような感覚がして、
体を包む暖かさに思わずすり寄ってしまう。


「…おい、起きたか」


その声で再び眠ろうとした意識が一気に覚めた。

目を開けばティアナがすり寄っていたのはリヴァイの体で、
暖かいのは彼に抱きしめられていたからで、心地よい揺れは二人で
馬に乗っているからだった。


「うわぁ!す、すみません!」

「別に構わん。それよりおとなしく乗ってろ」

「は、はい…あの、今ってどんな状況何ですか」


ミッドナイトが傍を歩いてくれているのを確認してからリヴァイに
尋ねる。

今は夕暮れ時で、ティアナは自分がわりと寝ていたことを知る。

…エルヴィンにせっかく期待をかけてもらったのに、これでは
やはり迷惑をかけてしまっていて申し訳ない。

馬の速度がゆっくりなのは、もちろんティアナを載せているのも
そうだろうが、おそらくもう壁が近いのだろう。


…とまぁ、ここまでは推測できるが。ティアナが気を失った後の
ことを知りたいのである。


「あぁ…右翼側の一部が壊滅したのは知ってるよな。
反対の左翼も一班が全滅、負傷者が多数。近くにいた巨人はなんとか
倒しきって帰路を急いだ。因みにベルは元気にしている。
…そして今だ」

「そう、ですか…」


やはり左翼側も被害があったか。わかっていたけれど、実際に
聞くと何も言えなかった。
懸念していたベルの安否も教えてくれ、そちらは安心した。


「もうすぐ壁につく。お前は寝れそうなら寝てろ」

「はい」


兵長の腕の中と自覚してからは寝れない…!と思っていた
ティアナだが、体が休息を求めていたのかすぐに眠ってしまった。

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